3/10(火)『ビニールの城』本読みWS 第5回 その①
2026年3月10日 Posted in 中野WS『ビニールの城』
『ビニールの城』、1幕を経て2幕に進みました。
1幕終盤、店にやってきた「夕一」に「モモ」は別れを切り出します。
そして、自分が本当に想っているのは「朝顔」だと、決然と表明します。
「夕一」の叔父である「連れ(後に名前が"引田"と知れる)」は、そのような状況に
甘んじている「夕一」に苛立ちます。甥っ子を思えばこそ、当然の感情です。
肝心の「朝顔」は、背中を向けたきりで「モモ」の想いに答えることがありません。
「モモ」と「夕一」を中心に、これは男と女の別れの修羅場です。
普通に考えれば、「夕一」はさんざん耐えてきました。
体も許してもらえないし、自分の名前が「朝顔」の腹話術人形「夕ちゃん」の
かわりになる。それだけの理由で「モモ」に選ばれたことは百も承知である。
それでも尚、「夕一」は「モモ」といられることの方を選んできたわけです。
一方、「モモ」も、そういう「夕一」の気持ちがわからないわけではない。
むしろ、感謝もある。が、それでも尚、「朝顔」への想いがやむにやまれない。
そして最後に、三角関係の一角を成す「朝顔」は、そんな二人のやり取りを
見ても尚、「モモ」の想いと、「夕一」の犠牲に応えることはできない。
という、地獄のような光景が出来します。まさに、修羅場。
オンライン本読みでは、この修羅場をどうつくるかということを重視しました。
こういう場合は鉄面皮では面白くありません。
役柄として、お互いに相手の心情が汲み取れて、相手の事情もわかる、
けれど、自分の気持ちがどうしようもなく譲れない三者のぶつかり合いに
仕立てることが、修羅場をさらに修羅場たらしめるコツなのです。
1幕ラスト、「モモ」は「朝顔」に、自分がビニ本の女であることを告げます。
これは、彼女にとって最後の賭けといえます。
「朝顔」が以前のアパートで語りかけ続けてきたビニ本の被写体の女こそ
自分であると初めて「朝顔」に告げることで、「モモ」は、自分が「朝顔」を
好きになった本当の理由を伝えた。
果たして「朝顔」はこれに応えられたのか。
という疑問を孕みつつ、舞台は2幕へ。レポートは明日に続きます。
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